クレベル・コイケと対戦するパトリシオ・ピットブルとは? Bellator王者の戦績、経歴、純資産

パトリシオ・『ピットブル』・フレイレは、総合格闘技界の歴史でも稀にみる、圧倒的な強さを誇るフェザー級の猛者だ。長く所属する『Bellator』でいくつもの記録を樹立してきた。フェザー級王者に3度、そしてライト級王者に1度の戴冠を果たしたパトリシオ・ピットブルは、ケージに入るたびに全力ファイトを身上としている。(画像:RIZIN FF)
現Bellatorフェザー級王者であるパトリシオ・ピットブルは、12月31日の大晦日、日本で開催される「Bellator vs. RIZIN対抗戦」に出場し、『RIZIN』の現フェザー級チャンピオンにして、朝倉未来に代わる新たなエースとなったクレベル・コイケと副将戦で対峙する。この試合は、BellatorとRIZINの共同イベントであり、ノンタイトル戦で行われる。
「私は子どもの頃に『ミノタウロ』アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ、ヴァンダレイ・シウバ、そしてマウリシオ・『ショーグン』・フアに憧れました。日本で試合をすることを願っていましたが、今日それが実現しました。ここにいることを大変幸せに感じています。私は母国(ブラジル)を代表しますが、日本は大好きです」と、フレイレは10月末の合同記者会見で述べた。
ホベルト・サトシ・ソウザと対戦するA.J.マッキー同様、日本で戦えることに歓びと敬意を表したパトリシオ。師でもあるブラジル人レジェンドファイターたちが名勝負を残してきた地で、日系ブラジル人のクレベル・コイケと激突する試合は、名勝負となるであろう期待感にあふれる。
Bellatorのベテランとして輝かしい歴史を築き上げたパトリシオ・ピットブルの経歴と戦績は以下の通りだ。  

■パトリシオ・ピットブルの戦績と経歴:Bellator史上指折りの記録的王者
パトリシオは後述する兄パトリッキーとともに、10歳でブラジリアン柔術を始めた。2004年には16歳で兄よりも早くプロデビューを果たした。キャリアの初期は主にブラジル国内で戦い、破竹の12連勝。兄とともに「ピットブル」の異名で呼ばれるようになった頃、2010年、いよいよBellatorへ戦いの舞台を移した。
2011年にはBellatorシーズン4のフェザー級トーナメントで優勝し、2013年には同シーズン9のトーナメントも制した。2014年にはBellator世界フェザー級タイトルマッチでパット・カランに勝利した。2015年にはタイトルを失ったが、2017年にはダニエル・ウェイチェルから奪還した。すでにフェザー級王者であったパトリシオは、2019年にマイケル・チャンドラーを破り、Bellatorライト級タイトルも獲得。同団体ではライアン・ベイダーに続く2人目の2階級制覇王者となった。

Bellatorフェザー級世界グランプリに王者として出場し、3連勝した後に、2021年の決勝戦で無敗のA.J.マッキーに敗れ、タイトルを失った。パトリシオは、失った同王座の奪回に専念するためにライト級のベルトを返上。満を持して迎えた2022年4月の再戦でマッキーを破り、フェザー級王者に返り咲いた。デビュー以来無敗だったマッキーに19戦目でついに土をつけ、フェザー級の絶対的エースとしての実力を改めて示した。
パトリシオが戦った直近の試合は10月にアダム・ボリッチから勝利を挙げたものだ。同団体での総戦績は22勝5敗となり、Bellator史上最多勝利記録を保持している。
大晦日の『RIZIN.40』では、RIZINの新エースで寝技の魔術師であるクレベル・コイケと対戦するが、ハイパーオールラウンダーとして弱点がないパトリシオにとっては、普段のケージでの戦いとは違う四角いリングという環境、そしてRIZINルールへのアジャストだけが不安要素かもしれない。

■パトリシオ・ピットブルの兄とは:苦労人の兄パトリッキー
前述通りパトリシオは、パトリッキー・フレイレの弟だ。パトリッキーは2005年にプロデビューを果たし、2011年にはBellatorに参戦した。弟と同じ「ピットブル」の異名を持つパトリッキーだが、シーズン4のライト級トーナメント決勝戦でマイケル・チャンドラーに敗れるなど、参戦当初は勝率が安定せず、弟よりも苦戦を強いられた。シーズン10の同級トーナメント決勝戦でもマルチン・ヘルドに敗れ、またしてもあと一歩のところで優勝を逃してきた。
2019年にはRIZINのライト級トーナメントに出場し、川尻達也、ルイス・グスタボを次々に撃破し決勝に進むも、トフィック・ムサエフに敗れ、ここでも栄光から見放された。
だが、そんな困難を乗り越える日がやってくる。2021年、Bellatorライト級タイトルへの挑戦機会が回ってきたのだ。弟パトリシオが、A.J.マッキーとの再戦に専念するためにベルトを返上したため、タイトルが空位になっていた。パトリッキーは2021年11月にピーター・クウィリーとの王者決定戦に勝利し、ついに悲願のベルトを獲得した。
なお、1年後の『Bellator 288』における初防衛戦でウスマン・ヌルマゴメドフに敗れ、ベルトを失っている。パトリッキーのBellatorにおける戦績は15勝9敗である。

■パトリシオ・ピットブルの純資産
総合格闘技専門の資産情報サイト『MMA Salaries』によると、パトリシオ・ピットブルの資産は約100万ドル(約1億3500万円)とされる。
ほかのファイターと比較すると、A.J.マッキーの資産は約200万ドル(約2億7000万円)、アレクサンダー・ボルカノフスキーが約200万ドル(約2億7000万円)、ナイジェリア人初のUFC王者カマル・ウスマンが約300万ドル(約4億500万円)とされている。

■パトリシオ・ピットブルのソーシャルメディア上での影響力
パトリシオはInstagramに16万7000人のフォロワーを持つ。Twitterは3万1100人、Facebookは3万人である。

■パトリシオ・ピットブルのプロフィール・戦績
リングネーム:パトリシオ・ピットブル(Patricio Pitbull)
本名:パトリシオ・フレイレ(Patrício Freire)
出身地:ブラジル・リオグランデ・ド・ノルテ州
生年月日:1987年7月7日(35歳)
身長:165cm
体重:65.3kg(フェザー級)
所属:ピットブル・ブラザーズ
MMA総戦績:34勝5敗
MMAタイトル歴:
・Bellatorシーズン4 フェザー級トーナメント優勝(2011年)
・Bellatorシーズン9 フェザー級トーナメント優勝(2013年)
・第6/8/10代Bellator世界フェザー級王座(現王者)
・第8代Bellator世界ライト級王座

翻訳:角谷剛、編集:スポーティングニュース日本版編集部

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