ALEXnomics — ALEX トークン

Stacks Japan
15 min readDec 31, 2021

ALEX とは?

ALEX は、Stacks のスマートコントラクトを介したビットコイン上のオープンソース DeFi プロトコルです。ALEX のビジョンは、Web3 の実現に必要な金融インフラに貢献することです。以下に示す、成熟した金融システムの基本要素を通し、ビジョン実現のために努力しています。

マーケット:

  • ローンチパッドを通して、新しいプロジェクトを立ち上げるためのインターフェイスを提供します。
  • Stacks 基盤のプロジェクトの流動性を促進するため、AMM (Automated Market Maker) とオフチェーン・オーダーブック機能の両方を備えた分散型取引所を提供します。

金融商品:

  • 固定金利、固定期間の貸付市場を導入し、DeFi 空間初のゼロクーポン債を提供します。

レバレッジ:

  • より高いリターンを得られるよう、信用取引やイールドファーミングなどのレバレッジを提供します。

ALEX は、自社開発した 動的担保リバランシングプール(dynamic collateral rebalancing pool)により、強制精算のリスクを排除しました。

金融エコシステムの構成要素であるこれらの金融プリミティブを提供することで、今後より高度な金融商品が DeFi 空間で再現されるでしょう。

ALEX トークン

トークンは、プロジェクトの基本的な価値を分配する、最も効果的なメカニズムです。ALEX トークンは $ALEX と表記され、時間の価値とリスク、リターンの嗜好を交換するためのメディアです。$ALEX を通じてプラットフォームとプロトコルに参加でき、トークン保有者はプロトコルとプラットフォームガバナンスのインセンティブを得ることができます。$ALEX は DEX での流動性提供、またはステーキングを通じて獲得することができ、主に以下3つの機能を備えています。

インセンティブ

$ALEX の主な役割は、プラットフォーム活動(DEXでの流動性提供やステーキング)の参加者へのインセンティブ提供です。インセンティブとしての $ALEX は、ユーザーや戦略的パートナーのコミュニティを巻き込み、持続的な採択、および参加を誘導します。

ステーキング

ユーザーは、$ALEX を一定期間ロックアップすることで、報酬としてさらに $ALEX を獲得できます。初期トークン供給の50%は、$ALEX または流動性トークンをロックアップする、すなわちステーキングのインセンティブとして割り当てられています。

投票

$ALEX は投票およびプラットフォームガバナンスに使用できるだけでなく、ALEX コミュニティへの参加・退会メカニズムとしても機能します。

$ALEX 保有者には以下の事項に関する議決権が与えられます。(もちろん、これらに限られません)

  • 今後のプラットフォーム開発
  • 流動性プロバイダーへの取引手数料のリベート
  • ステーキングポリシー
  • 積立金の分配方針
  • $ALEX トークン供給ポリシー(買い戻しおよび増量を含む)

図1は、$ALEX ホルダーが ALEX エコシステムに参加する方法についての概要です。すべてのガバナンスは、エコシステムの価値リポジトリである $ALEX から始まることが確認できます。

段階的ガバナンス分権

ALEX は、創業チームが時間の経過とともに徐々にコントロールを放棄することにより、ガバナンスの分散化を目指しています。これにより、チームは初期段階でのネットワーク開発に集中することができます。この例として、ネットワークトークンの配布があります。トークンは、ネットワーク自体の制御、運用、管理を分散化すると同時に、段階的な分散化により、規制遵守への道を切り開きます。

私たちの法人設立の枠組みは、現在 ALEX チームで構成される ALEX Lab Foundation によって管理されています。財団の目標は、すべての $ALEX 保有者資格を持つ財団メンバーとともに、完全な DAO 形態へと段階的に移行することです。

法人設立

ALEX Lab Foundation (以下”財団”)は、ALEX の長期的な発展と継続性を実現するための活動を行っています。段階的に DAO に転換することを目標としています。

財団は2つの子会社を完全所有しています。

  • ALEX Issuer Inc. (以下、”Issuer Co”):ALEX ガバナンストークンを発行することのみを目的として設立されました。
  • ALEX Operations Inc.(以下、”Operating Co”):プロトコルの日常的な運用を監督しています。

トークン配布

Issuer Co は、初期供給総量 1,000,000,000(10億)個の $ALEX を発行し、下記のように配分します。

  • 20% は財団に寄付され、ALEX のエコシステム、アーリーアダプター、将来の開発支援のためのコミュニティリザーブプールに割り当てられます。
  • 50% は、$ALEX トークンを得るための $ALEX または流動性トークンをステーキングするコミュニティのために確保されます。
  • 30%は従業員、アドバイザー、初期投資家および創立チームに分配されます。

コミュニティトークンの発行スケジュール

ステーキングプールによって、トークンの発行スケジュールが異なる場合があります。これは、基盤となるプールやアセットに関連するリスクの差異を反映しているためです。

ステーキングプールの立ち上げには、20個の固有ウォレットからスマートコントラクトを使用して有効なシグナルを送信する必要があります。その後カウントダウンが開始され、カウントダウン終了後は誰でも指定された Stacks ブロック内でステーキングに参加できます。

すべてのステーキングプールにおいて、 $ALEX の発行量上限が設定されます。

ガバナンス

ALEX は、分散型金融を構築するだけでなく、プロジェクト全体を段階的に分散化する取り組みも続けています。財団は、ALEX コミュニティがオンチェーンおよびオフチェーンのガバナンスの決定を完全にコントロールできるよう、本格的な DAO になることを目標としています。しかしこれは決して容易なプロセスではなく、必要に応じて段階的に、かつ慎重なアプローチが必要です。

ALEX Genesis DAO

ガバナンスの分散化をすすめるための第一歩として、ALEX Genesis DAO を設立します。メインネットのリリースから約60日後、財団は $ALEX 保有者がコミュニティのコミュニティについての提案書を提出できる AGP(ALEX Growth Proposal)フレームワークと Genesis チームを発表する予定です。

Genesis チームは、コミュニティと財団との仲介役をつとめる ALEX チームのメンバーで構成されます。AGP は、取引手数料の調整のような単純な提案から、新機能追加やクロスチェーンアセットの追加といった複雑な提案までをカバーします。Genesis チームは、コミュニティが承認した AGP をレビューし、AGP の実現可能性と必要な時間に関する実装案を提供します。それを実際に実行するかどうかは、$ALEX 保有者の投票によって決められます。

Genesis DAOは、メインネットのリリース後 6~18ヶ月間、コミュニティとともに最高なガバナンスを実験的に決定していきます。ガバナンス投票の最終性を尊重するため、今後も多くの努力を続けていきますが、安全装置として、財団には拒否権とガバナンスシステムの一時停止権限が与えられます。

その後ガバナンスシステムが安定し、信頼できる分散型の運用が実現すれば、正式な ALEX DAO への移行を開始します。Genesis チームは安全装置の解除を提案し、コミュニティはすべてのガバナンスを ALEX DAO に移行するかどうかの投票を行います。

段階的な流動性の分散化

DeFiプロトコルは、ロングタームでの利用を維持すると同時に、初期流動性をブートストラップするバランスを取る必要があります。短期的な流動性提供を奨励することは、流動性の「貸出」と比較されることがあります。短期的なインセンティブは、初期報酬の大部分を獲得する外部資本を引き入れた後、高い収益率を見せても長続きせずにすぐ撤退するケースが頻繁に発生しています。そのため、小規模なプロトコルユーザーが短期的なインセンティブ以外のプラットフォームに関心を持つのは非常に困難です。

ALEX は、伝統的な資金運用会社の流動性管理モデルを参考に、流動性コミットメントのメカニズムを構築しています。これは ALEX が段階的な流動性の分散化(PLD、Progressive Liquidity Decentralization)を実現することを指し、ALEX の長期的な成長にコミットする流動性プロバイダーをフィルタリングすることができます。

流動性の分散化とは、プラットフォームの立ち上げ時に集中する流動性を、分散型状態へ移行管理することで、個人や少人数のグループがプラットフォーム流動性を制御できないようにすることです。

ALEX は、単一の流動性プロバイダーが全体の流動性全体の一定割合以上になることがないよう、単一の彼らが寄与できる金額の上限(cap)と、秩序ある資本撤退を管理するゲート(gate)を導入し、長期的な流動性コミットメントへの補償を設けようとしています。

これは、 ALEX トークンの長期的な成長、反映、価格上昇を確実にするため、流動性プロバイダーの利益と ALEX コミュニティおよびプロトコルの利益と一致させる役割を果たします。

ALEXリザーブプールのリスク管理

ブラック・スワンイベントは、ALEX プラットフォームにどのような影響を与えるでしょうか。これらリスクはどのように「定量化」できるでしょうか。そして ALEX の支払余力(solvency)を確保するため、どのような対策がとられているでしょうか。

ALEX は、分散型取引所(DEX)、ローンプラットフォーム(PLF)の2つで構成されています。前者はユーザーの交換活動を、PLF はローン活動をサポートします。PLF は一般的にユーザーに多くの担保を要求します。つまり、貸付金額を担保価値より低く設定することで、貸付が継続的に行われるようにします。

市場が低迷すると、担保価値が貸付金額より低くなる可能性が高いので、デフォルトが起きることがあります。そこで多くの DeFi ローンプロトコルは清算人(liquidators)を導入しています。彼らは高額の手数料を課すことで担保プールを解消し、借り手に大きな損失を与えます。

ALEX では、スムーズな貸し借りを実現するために、担保プールのリバランスを行い、リスク資産と無リスク資産の間で常に担保プールのバランスを調整し、強制精算を回避しています。

このような備えにも関わらず、予期せぬブラックスワンイベントが発生すると、担保資産の価値が大幅に下落し、リスク資産を無リスク資産に転換しきれなくなる可能性があります。このとき債務者がデフォルトで終了する一方、ALEX プラットフォームはダメージを受けることになります。

ALEX は、どのようにしてプラットフォームの持続可能性を確保すればよいのでしょうか。ここで私たちは、まず市場リスクを定量化するフレームワークを構築しました。そして、ALEX の支払余力を守るための、様々な防御策を考案しました。

バリューアットリスク(VaR)

VaR は、リスク・エクスポージャーを定量化する、リスク管理における統計的フレームワークです。一般的に伝統的な金融圏で適用され、与えられた期間に損失されると予想される最大ドルの金額が定義されます。例えば、VaR を通じて金融機関は「私たちの1日の取引において、損失は500万ドルを超えないことを99%確信しています」と言うことができます。

ALEX のリスクモデリングは保守的に設計されています。

  • 極めて低い確率で発生する、極限の損失状況に焦点を合わせています。
  • 従来の仮想通貨価格の推移を超え、前例のないレベルに低下する状況をシミュレーションしています。

例えば、過去5年間で、1時間当たりの最も急激な下落は18%程度でした。-10%から-18%に急落する確率は、0.017%と非常に低確率です。 ブラックスワンイベントの影響をけんしょうため、-20%の急落シナリオをランダムで追加し、急落確率を過去平均の約100倍までの変動幅を適用しました。

このシュミレーションにより、プラットフォームが被るであろう損失の大きさを知ることができます。例えば、初期 LTV が75%で、急落の頻度が過去平均の100倍である場合、担保価値の12.5%がデフォルトになる確率は1%未満です

さらに、担保リバランシングプールの規模と ALEX の年間手数料収入に関する合理的な仮定の下で、ALEX が取引手数料を通じて得る収入と損失額を比較することができます。付録のケーススタディ(担保プールのサイズは31.25%、月額手数料収入は TVL 総額の1.25%と仮定)では、プラットフォームが被る損失はおよそ手数料3カ月分に相当すると結論付けています。

このようにブラックスワンイベントのような状況をモデリングした結果、ALEX の清算リスク除去は長期的に持続可能であるという確信を得られました。

供給不足現象

不測の事態により、供給不足が発生した場合、これに対する第一の防衛手段は ALEX リザーブプールです。リザーブプールの主要収入源は取引手数料で、取引手数料の一定割合を流動性プロバイダーにリベートし、残りは自動的にリザーブプールに割り当てられます。

ガバナンスにより、リザーブプールの規模はプラットフォームのリスクと相対的であり、$ALEX の買い戻しや新規発行を促すことができます。リザーブプールに支払能力がある限り、プロトコルの運用を停止することなく、不足する損失をカバーすることができます。

リザーブプールに十分な資金がない場合は、コミュニティの承認のもと、ALEX トークンの追加発行が可能です。これが第二の防衛手段となります。供給不足の損失がカバーされるまで、売却益はすべてリザーブプールに割り当てられることになります。

まとめ

ALEXは、ウォール街の銀行でクオンツ取引やリスク管理システムを構築してきたベテランのクオンツによって構築されたプロトコルで、その知識と専門性が DeFi とトークノミクスに取り入れられています。リスクマネジメントのために「トークンリザーブ」に依存するのではなく、統計的なモデリングを適用することで、ALEX がブラックスワンイベントに対してどのように回復力を持つかを推論しているのです。

分散型であることは、私たちの最大の強みです。これによって全く新しい方式のオープンな適応型プロトコルへと進化していきます。私たちが追求する、段階的なガバナンスの分散化は、Genesis Dao から始まります。

流動性の分散化は、DeFi 独自のコミットメントの仕組みで実現しています。単一の流動性プロバイダーの出資額に「上限」を設けるとともに、秩序ある退出を管理する「ゲート」を導入することで、初期の流動性プロバイダーのインセンティブと、ALEX のプロトコルやコミュニティの長期的な利益のバランスを維持します。ALEX は、持続可能な金融インフラを構築するために、エコシステムにおけるパートナーシップとコミュニティを作り続けていきます。

以上、ALEX トークンの概要とトークノミクスについて簡単にご紹介しました。今後のブログ記事もご期待ください。その他詳細についてはドキュメントや SNS チャネルでご確認ください。

原文:ALEXnomics. ALEXnomics charts a course toward the… | by alexGo.btc | ALEX Blog | Dec, 2021 | Medium

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