今日の株式見通し=軟調、円高やアフガニスタン情勢を嫌気

[東京 16日 ロイター] - きょうの東京株式市場で日経平均株価は、軟調な展開が想定されている。前週末の米国株式市場は小幅上昇となったものの、東京株式市場では、一時109.50円台までドル安/円高に振れた為替相場を嫌気した売りが上値を抑えそうだ。アフガニスタン情勢の緊迫化も投資家心理の重しになるとみられている。
日経平均の予想レンジは2万7600円─2万7900円。
前週末13日の米国株式市場は、ダウ工業株30種とS&P総合500種が小幅上昇し、4日連続で終値ベースの最高値を更新した。消費者信頼感の急低下は売り材料だったが、娯楽大手ウォルト・ディズニーの上昇が支えとなった。
米ミシガン大学が発表した8月の消費者信頼感指数(速報値)は70.2と、2011年以来、約10年ぶりの低水準となった。7月確報値の81.2から大幅に低下し、ここ50年で3番目に大きな落ち込みとなった。市場予想は横ばいの81.2だった。
消費者信頼感の低下を受けて米長期金利の低下に伴うドル売りがが加速し、現在のドル/円は109.61円付近。前週末午後3時時点の110.40円から円高が進行しているため、主力の輸出関連株にとって重しとなりそうだ。シカゴの日経平均先物9月限(円建て)清算値は2万7900円と前週末の現物終値から約77円安い水準。日経平均は小幅安水準でのスタートが予想されている。
アフガニスタンの反政府武装勢力タリバンは15日、首都カブールに侵攻し、大統領府を掌握した。ガニ大統領は流血を避けたいとして出国したと伝わっており、地政学リスクが意識される展開となりそうだ。
市場では、円高や中東情勢不安定化への懸念で、日経平均は上がりにくいとの声が聞かれる。また、きょう中国で発表される経済指標への市場の関心は高い。「中国の景気のピークアウト観測がくすぶる中で仮に軟調な経済指標が発表されると、日経平均はさらに水準を下げる可能性がある」(運用会社)という。
きょうの主なスケジュールでは、国内で4─6月期GDP速報(内閣府)、東京エレクトロンの企業決算の公表などを控えている。中国では7月の鉱工業生産、小売売上高、固定資産投資(国家統計局)、米国では8月ミシガン大消費者信頼感指数速報値が発表される。
前営業日終値 年初来高値 年初来安値
日経平均      27977.15 30714.52 27002.18
-37.87 2021年2月16日 2021年1月6日
シカゴ日経平均先物9月限 27900(円建て)

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