中国の新築住宅価格、7月は前月比+0.3% 1月以来の低い伸び

中国の新築住宅価格、7月は前月比+0.3%に鈍化
中国国家統計局が16日発表したデータに基づきロイターが算出した7月の主要70都市の新築住宅平均価格は前月比0.3%上昇と、伸び率は前月の0.5%から鈍化し、1月以来の低さとなった。写真は2016年2月、北京で撮影(2021年 ロイターJason Lee)
[北京 16日 ロイター] - 中国国家統計局が16日発表したデータに基づきロイターが算出した7月の主要70都市の新築住宅平均価格は、前月比0.3%上昇した。伸び率は前月の0.5%から鈍化し、1月以来の低さとなった。住宅購入の部分的な制限など、規制が一段と強化されたことを反映した。
前年比では4.6%上昇。6月の4.7%から伸びが鈍化した。
前月比で住宅価格が上昇したのは70都市中51都市となり、6月の55都市から減少した。
1─7月の不動産投資も前年同期比12.7%増と、1─6月の15%増から伸びが鈍化した。資金調達の規制が強化されたことが背景。
中国の不動産市場は新型コロナウイルス危機から急速に回復し、過熱感から金融リスクを巡る懸念が生じた。当局は住宅価格抑制に向け、今年に入って開発業者による借り入れの制限や住宅セクターに対する銀行融資の上限設定など規制を強化している。
不動産代理店センタラインのチーフアナリスト、Zhang Dawei氏は「大半の都市では新築住宅と中古住宅の価格上昇ペースが明らかに鈍化している」とし、「与信状態が(緩和から引き締めに)正常化していることを背景に、住宅価格の上昇ペースの鈍化は今後も続く見通しだ」と述べた。
貝殼リサーチ研究所のアナリスト、Xu Xiaole氏も「タイトな与信状況と、(投機の)抜け穴封じのために続けられている規制強化が、住宅価格の上昇ペース鈍化の主因だ」と指摘した。
中国共産党の最高意思決定機関は7月、「住宅は居住のためのものであり、投機のためではない」という政府の立場を改めて表明した。
統計局の縄国慶氏は声明で、上海や北京など1級都市の7月の価格上昇は0.4%と、前月の0.7%から伸びが鈍化したと指摘した。
北京は中国で最も厳しい不動産規制が導入されており、2つの物件を所有する住民は追加の住宅購入が認められていない。
センタラインのZhang氏によると、当局は今年、不動産部門で380件もの新規の規制を導入した。
省都を含む2級都市の住宅価格も前月比0.4%上昇と、6月の0.5%から伸びが鈍化した。3級都市では0.2%上昇。6月は0.3%上昇だった。
浙江省の小都市、金華と広東省恵州は8月、市場管理を強化するよう中国住宅都市農村建設省から前月に指示されたのを受け、対策を講じた。

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