長雨の秋 忘れる人 追いかけてゆく
眠れず 夜 見えぬとも ただ酔う涙
小さな箱の 大きな海に ひとりで浮かんで
鏡も見ずに 心の水に
いろはのかたちを
小さな箱の 大きな海に ひとりで浮かんで
震える波は 喉から届く声
眺めの飽き 忘れる日と 老い欠けてゆく
眠れず 寄る 見えぬ友 漂う波だ
小さな箱の 大きな海に ひとりで潜って
つまらぬ日々に 埋まらぬひびに
でたらめなわけを
小さな箱の 大きな海に ひとりで潜って
震える波は 耳まで届く声
ながめのあき わすれるひと おいかけてゆく
ねむれず よる みえぬとも ただようなみだ