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2021.12.12 08:25

地域で支え合う場所を、子ども食堂支援の湯浅誠さんが講演 こうち食支援ネット設立記念 高知市

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「子ども食堂は交流をベースにした多機能な場所」と話す湯浅誠さん(高知市鷹匠町1丁目の三翠園)

「子ども食堂は交流をベースにした多機能な場所」と話す湯浅誠さん(高知市鷹匠町1丁目の三翠園)

 今年5月に発足したNPO法人「こうち食支援ネット」の設立記念事業がこのほど高知市内で行われ、東京のNPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」理事長で、社会活動家の湯浅誠さん(52)が講演。子どもから高齢者まで多世代が交流する子ども食堂の魅力や意義を語った。要旨を紹介する。

 おいしいご飯が何種類も並び、地域の人が入れ替わりで来て世間話をしながら、「ごちそうさま」と帰って行く。子ども食堂って、そんなところ。子どもとその保護者、地域の高齢者ら3世代が交流する居場所だ。交流をベースに、子どもの貧困対策、高齢者の健康づくり、地域活性化、子育て支援など多機能を持っている。

 子どもの貧困率は、7人に1人に相当する13・5%。だが、そうした子も普通にランドセルを背負って通学し、スマートフォンを持っている。周りが気づきにくい「黄信号」の家庭は多いが、放っておくと深刻な赤信号家庭になることもある。

 貧困対策では、黄信号家庭を含めた対応が必要だが、そうした子は相談に行かない。多くの人が、そんな場所には行けない、まだ頑張れると思っている。赤信号になって初めて相談に来て、「なぜもっと早く来なかったのか」ということが起き続けている。

 それなら発想を変えよう。黄信号の子たちが行く場所はどんなところか。自分から「困っている」などと言わなくても、誰もが行ける場所。子ども食堂が貧困対策にもなるのはそのためだ。一緒に食事をしたり宿題をみたりする中で、周りが気づいてサポートにつなげられる。相談機能はさりげなくついていることに意味がある。

 子ども食堂で勉強を見守ってもらいながら、家でやったことがないぐらい頑張ったり、交流を通じて励まされたり。居場所はそんな力を与えてくれる。貧困かどうかにかかわらずすべての人にそういう場所があれば、ずっと暮らしたい地域になると思う。(松田さやか)

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