「法軽視が顕著と言い難い」 菅原前経産相の起訴猶予で特捜部が異例の説明

2020年6月25日 17時50分
菅原一秀前経済産業相

菅原一秀前経済産業相

 自民党の菅原一秀前経済産業相(58)=衆院東京9区=の秘書が代理で香典を渡すなどした公選法違反事件で、東京地検特捜部は25日、菅原氏を不起訴(起訴猶予)とした。特捜部は起訴を見送った理由について、「法を軽視する姿勢が顕著とまでは言い難かったため」としている。検察当局が不起訴理由を詳細に説明するのは異例。
 刑事告発した市民側は、本紙の取材に「公選法違反を認定しながら不起訴としたのは不当だ」として、検察審査会に審査を申し立てる方針を明らかにした。
 特捜部によると、菅原氏は2017年7月~19年10月、練馬区の有権者18人に、故人の枕元に飾る枕花名目で総額17万5千円相当の生花を寄付。18年12月~19年8月には秘書に代理させる形で、有権者9人に香典名目で計12万5千円を寄付した。
 公選法は政治家が選挙区内で金品を贈ることを原則禁止。生花も禁止の対象とされる。香典は本人が持参する場合に限り例外的に認められているが、秘書が代理で渡せば違法となる。
 特捜部幹部は「香典の代理持参はあくまでも例外。大半は本人が弔問した際に渡していた」とし、悪質性が低いと判断したと説明。昨年10月の疑惑発覚後に経産相を辞任し、今月16日の記者会見では事実関係を認めて謝罪したことも考慮したという。
 菅原氏は不起訴処分を受け、「不用意な行動を心から反省し、深くおわび申し上げる」とコメントした。

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