フルマラソン登録男子は、スカイランニング日本代表の甲斐大貴(28=JOHHOKU CABALLO)が、2時間23分19秒で初出場初優勝を飾った。2位の児玉雄介(36=サーチファーム・ジャパン)が持つ大会新記録に1分43秒に迫る好タイムだった。

初出場の甲斐はフィニッシュすると、両手でゴールテープを高々と挙げて感情を爆発させた。「ヨッシャー!!」。こう雄たけびを上げ、ゴール付近の仲間たちに右手で「4」を作って猛アピール。「優勝だけを狙っていただけに本当にうれしい。この優勝で富士山周りのレースの4冠を達成できた」と、興奮気味に振り返った。

順大陸上部出身。普段は標高2000メートル級の山岳を駆けるスカイランニングの日本代表として活躍する。今年は富士山周辺で行われた富士五湖ウルトラマラソン、UTMF(KAI69k)、富士登山競走で3連勝した。同9月までは欧州遠征などで海外を転々とする生活を送り、フルマラソンは「一発本番」だった。

高低差があり難易度が高いとされる今大会では、前半は思うような走りができず、後半30キロ過ぎの下り坂からリズムを取り戻した。「山レースに比べればまだ楽だった。(歩くこともある同レースとは異なり)『歩いたら終わり』ということだけを心がけた」。

左耳にはピアスが光り輝く。順大時代に目標だった箱根駅伝を走れず、「穴を空ければ流れが変わる」と聞き、その後の人生が豊かになることを願いピアスを着けて走ることを決めた。

来年も海外の山岳レースに出場予定のため、同大会の参加は「未定」とするが、YouTuberでもある28歳は「その時次第だが、いつか、大会新は狙いたい」とさらりと言った。

 

以下、男子上位6人の公式記録

(1)甲斐大貴(28=JOHHOKU CABALLO)2時間23分19秒

(2)児玉雄介(36=サーチファーム・ジャパン)同25分35秒

(3)志方文典(31=ABCR-【Lycaons】)同29分43秒

(4)鎌田紘宜(36)同31分54秒

(5)有福悠汰(28=東京陸協)同32分49秒

(6)桝本裕真(28=グロマン関東)同32分54秒

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