フレッシュな顔ぶれからおなじみの面々まで、ヨーロッパ社交界でもてはやされているヤングロイヤルたちをご存じ? 彼女たちは生粋のプリンセスだけど、王位継承順位は高くない。そのためか、リラックスして自分の人生を謳歌する人が多い印象だ(“スペア”に生まれた王族の苦労話はこちら)。
数々のレッドカーペットに登場しブランドのアンバサダーを務める彼女たちの華やかなライフスタイルをぜひチェックしてみて!
1. ヴィクトリア・デ・マリチャラル(スペイン)
ヴィクトリア・デ・マリチャラルは、スペイン王位継承順位第5位。『Tatler』誌のItガールに選ばれるなど、現在ヨーロッパの社交界で大注目のヤングロイヤル。
スペイン元国王ファン・カルロス1世とソフィア妃の孫娘であり、両親はフェリペ6世国王の姉エレナ王女と元夫のスペイン貴族ハイメ・デ・マリチャラル。つまり国王の姪。
マドリード国際大学で企業経営とマネジメントを学んだ彼女は22歳になった今、LVMHグループでアドバイザーとして働く父に倣って、ファッション業界で働くことを希望しているとか。
スラリとした長身と黒髪の、上品な美しさをたたえる彼女を人々が放っておくはずはなく、2020年10月のスペインのエル・スタイル・アワードで初めてレッドカーペットに登場。以来、数々のファッションイベントにも引っ張りだこ。
スペイン版『ELLE』2022年4月号の表紙に登場したヴィクトリア。巻頭インタビューでは金融取引などを巡るスキャンダルがあった祖父フアン・カルロス元スペイン国王を擁護し話題に。祖父にちなんだタトゥーを入れていることも明かした。
「シャネル」の2022年春夏オートクチュールコレクションではツイードの乗馬服をまとってランウェイに登場。気品あふれる姿で会場を沸かせた。
2&3. マリア・カロリーナ王女&マリア・キアラ王女(南イタリア)
ハプスブルグ家やメディチ家の血統も受け継ぎ、シチリア・ブルボン王家ならびに両シチリア王国の継承者の系譜であるボルボーネ=シチリア家の王女姉妹。父はカルロ・ ディ・ボルボーネ=ドゥエ・シチリエ・カストロ公で、姉マリア・カロリーナ王女は現在20歳、妹マリア・キアラ王女は18歳だ。
母カミラ妃ゆずりのゴージャスな美貌を誇るプリンセス姉妹はヨーロッパの社交イベントにたびたび出没しているが、普段は複数のチャリティー団体でアンバサダーやメンバーとして活動するなど社会派な一面も。勉学にも秀で、6カ国語を操るとか。
写真/今年のカンヌ国際映画祭のレッドカーペットに登場した2人。女優やモデル並みの存在感を発揮!
昨年のモナコGPでの1枚。父カストロ公を中心に。
ちなみに、今年のモナコGPではプリンセス姉妹はデンマークのクリスチャン王子一行と一緒に過ごしたことが報じられており、マリア・キアラ王女とクリスチャン王子がやけに親しげにしていたことから交際の噂も!
デンマーク王子との噂が立っている妹のマリア・キアラ王女。
デンマーク王家とボルボーネ=シチリア家は昔から親交があり、カストロ公夫妻はクリスチャン王子の妹ヨセフィーネ王女のゴッドペアレントだそう。そのため、王女姉妹とクリスチャン王子が仲良しなのは納得だ。若い2人の関係がさらに発展するかどうかは見守りたい。
写真/デンマークのクリスチャン王子(中央)と彼の両親であるフレデリック皇太子&メアリー妃夫妻。
4. レディ・アメリア・ウィンザー(イギリス)
1995年生まれで、27歳になるレディ・アメリア・ウィンザーはエリザベス女王のいとこケント公爵を祖父にもつ、セント・アンドルーズ伯爵ジョージ・ウィンザーとその夫人シルヴァーナの娘だ。イギリス王位継承順位は現在43位。
2016年の『Tatler』誌で表紙に登場し、「最も美しいロイヤル」として注目されるように。10代からファッション業界に興味を持ち、「シャネル」や「アライア」でインターンを経験。その美貌を生かして「ドルチェ&ガッバーナ」のランウェイショーなどでモデルとして活躍するほか、フロントロウの常連でもある。
エディンバラ大学を卒業後、ロンドンのノッティングヒルにお引越し。姉と一緒に住んでいるというキュートな自宅は、大好きだというアートでいっぱい。美術のほかに彼女が関心を寄せるのは環境問題。サステナブルな生活を心がけるほか、環境団体のアンバサダーも務めるなど、熱心に取り組んでいる。
レッドカーペット慣れしているレディ・アメリア。6月21日にロンドンで開催されたヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)のサマーパーティに出席。ピンクのドレスでトレンドど真ん中の「バービーコア」なスタイルも難なくクリア。
「ドルチェ&ガッバーナ」の2017-18年秋冬コレクションではランウェイに登場。フレッシュで可憐な魅力を振りまいて。
イギリス王室の一員として公式行事に出席することも。2008年の「トゥルーピング・ザ・カラー」ではチャールズ皇太子(当時)の隣に立った。
5. カミーユ・ゴッドリーブ(モナコ)
グレース・ケリーの血を引くモナコ公室の系譜の中でも、伝説の女優に最も容姿がそっくり、と言われているのが、ステファニー公女と彼女の元護衛ジーン・レイモンド・ゴットリーブの24歳になる娘カミーユだ。
ステファニー公女とゴットリーブ氏は結婚しなかったため、カミーユにモナコ公位の継承権はないが、モナコ公室の一員として公式行事などに出席。近年は自身のインスタグラムでカナダやフレンチアルプスなど世界を飛び回るリュクスな日常を発信。多くのフォロワーを集めて存在感を発揮している。
カミーユは慈善活動に熱心で、モナコ赤十字の役員を務めるほか、自動車事故で友人を亡くした経験から、高校の時代の友人たちと高校時代の友人たちと非営利団体「BE SAFE Monaco」を設立し、飲酒運転の危険性について啓蒙活動を行なっている。
役員を務めるモナコ赤十字の毎年恒例のガラパーティーに「レッド ヴァレンティノ」のチュールレースの刺しゅうドレスで出席。2022年7月撮影。
6. ポリーヌ・デュクリエ(モナコ)
カミーユの姉ポリーヌにも注目。今年29歳のポリーヌはステファニー公女が1995年から1年2カ月だけ結婚していたボディーガード、ダニエル・デュクリエの間の第2子長女。現在のモナコ公位継承順位17位だ。
10代まで飛び込み競技選手として活躍していたポリーヌは、高校卒業後はファッション業界へ。マランゴーニ学院のパリ校でスタイリングを学び、『ヴォーグ』や「ルイ・ヴィトン」でインターン。NYのファッションの名門校パーソンズで準学士を取得して、2017年にファッションブランド「アルター(Alter)」を立ち上げた。
ポリーヌはスペイン版『ハーパーズ バザー』2018年3月号の巻頭インタビューで「単なる“グレース・ケリーの孫”にならないために一生懸命働きたい」と語っている。
「アルター」は2020年春夏メンズコレクションで初のランウェイショーを行った(写真)。アップサイクルデニムを使うなど、今の時代の空気感を反映したユニセックスブランドだ。
7. アレクサンドラ・フォン・ハノーファー王女(モナコ)
モナコ公室カロリーヌ公女の4人の子どものうち唯一、「プリンセス」の称号を持つ末娘のアレクサンドラ王女。これはカロリーヌ公女の3番目の夫である彼女の父親が、ハノーファー王家直系のエルンスト・アウグスト5世だから。モナコ公位の継承順位は現在13位だ。
23歳になるアレクサンドラ王女は、ファッションショーのフロントロウやモナコ公室のイベントで姿を見せることはあるが、あまり表に出たがらない性格のようで、2020年に唯一受けた『テルヴァ』誌のインタビューのなかで、「普通に暮らしたい」と語っている。10代の頃はフィギュアスケート選手として本格的に活動していた。
モナコとニューヨークを行き来しながら暮らしていると言われており、ドイツのバスケットボール選手でDJのベン・シルヴェスター・ストラウトマンと長年安定交際している。
毎年開催されるモナコ公室主催の最も華やかな舞踏会「ローズボール」には恋人ベン・シルヴェスター・ストラウトマンと連れ立って。2022年の「ジャンバティスタ ヴァリ」のオートクチュールドレスを着たアレクサンドラ王女の姿はまさに私たちが想像するお姫様そのもの!
8. シャルロット・カシラギ(モナコ)
すでに大御所感があるけど、アレクサンドラの父親違いの姉でファッション業界と蜜月関係が続くモナコ公室シャルロット・カシラギも併せて復習。
カロリーヌ公女とイタリア人実業家ステファノ・カシラギの第2子として1986年に生まれたシャルロットはソルボンヌ大学で哲学を学んだ才女で、作家、編集者、映画プロデューサー、馬術家としても活躍。祖母グレース・ケリーから受け継いだ気品ある美しさで「シャネル」のアンバサダーを務める。
恋多き女性としても知られ、交際していた仏俳優のガット・エルマレとの間に2013年に長男ラファエルを、2019年に結婚した映画プロデューサー、ディミトリ・ラッサムとの間に次男バルタザールがいる。
モナコ公位継承順位は第11位。36歳の今も輝くような美しさ!
9. マリア=オランピア王女(ギリシャ)
ギリシャのパウロス元王太子とマリー・シャンタル妃の長女である26歳のマリア=オランピア王女は、欧州王族の中でも最もファッショナブルなロイヤルの1人。
名付け親の1人に英チャールズ国王を持つ生粋のロイヤルである彼女は、ロンドンのチェルシー育ち。幼い頃からファッションに興味を持ち、17歳で「ディオール」のオートクチュール部門でインターン。ニューヨーク大学でファッション、ビジネス、マーケティングを学んだ。
抜群のスタイルと美貌を活かして、ブランドとのパートナーシップを結んだり、モデルとしてランウェイや雑誌などに登場しているが、いずれは自分のファッションビジネスを立ち上げるのが目標とか。
ソーシャライトとして分厚い人脈を持ち、親しい友人は同じくロンドン社交界で活躍するポピー・デルヴィーニュ(写真)やイザベル・ゲティ、ダイアン・フォン・ファステンバーグのモデルの孫娘、タリタ・フォン・ファステンバーグ王女、そしてヒルトン姉妹も含まれる。