-三菱重工浦和レッズレディースは、日テレ・東京ヴェルディベレーザ、INAC神戸レオネッサとの上位対決で1勝1分という結果を残し、優勝に大きく前進しました。今のチームの雰囲気はどのように感じていますか。

3連戦とI神戸戦が山場だというのはもちろんみんな感じていました。でも「ここを勝てば優勝」とか、そこまで先を見据えているというよりは、本当に目の前の相手との試合を大事にしています。この間の試合に勝った直後はすごく喜びましたけど、ロッカールームに戻ったときには「次が大事だから」と、みんなが気持ちを切り替えて次に向かっている感じがしました。

-選手のみなさんは、常に「1試合、1試合」とおっしゃっています。それはシーズン当初からチームで徹底されていたのでしょうか。

もちろん開幕から優勝を目指していましたけど、1試合1試合、目の前の相手に対して全力を出して勝つということをみんなで続けてきた結果、こうして勝ち点を積み重ねてこられたと思っています。今もチームの雰囲気や気持ちは変わらず、今週末の相手に向かっていると感じています。



-その中では、チーム内での競争もすごく激しかったと思います。

自分も今シーズンは、初めてボランチに挑戦しました。不安な部分もありましたけど、日々の練習を全力でやることはもちろん、若い選手たちの勢いがあってポジション争いが激しいというのもすごく刺激的でしたし、日頃からバチバチし合えるのが楽しいとも感じていました。スタメンではない選手にも試合に出たい気持ちは絶対にあるのですが、紅白戦後に相手の立場からアドバイスをしてくれるなど、チームが勝つためにみんなで高め合えているのが今のレッズレディースの良さだと思っています。

-塩越選手は今まで1列前やサイドでのプレーが多かったと思いますが、ボランチでプレーしてみて、難しかったところや成長できたところについてはいかがでしょうか。

今までは前目のポジションが多かったので、「前に、前に」ということが求められていました。ボランチは全体のバランス管理や、行くべきところ、行かないところの判断がチームにすごく影響します。やり始めはそういうところの判断があまりつかず、自分の良さを出したいがゆえにボランチとしての仕事が全うできてなかったところもありましたが、90分間バランスを管理するところでの体力の使い方とかを含め、シーズンを通して積み重ねながら、学んでこられたものはたくさんあったと思います。視野も広がっていて、今までは自分がゴールに向かうためのプレーが多かったのですが、周りの選手をどうやって生かすかとか、「この位置をとったらこの選手が空く」とか、バランスを見ながら全体を動かしていくような部分は、今までにない学びだったと思います。



-チームには柴田華絵選手や栗島朱里選手などボランチでの経験が豊富な選手がいますが、アドバイスをもらったところはありましたか。

2人のプレーを見ながらプレーしていました。特に華さん(柴田華絵)とプレーすることが多かったのですが、華さんにはチーム全体のバランスを見ながらのアドバイスだったり、ちょっとミスが続いたらすごくプラスな声かけをしてもらったりして、メンタル的な部分ですごく支えてもらっていました。

-ボランチの選手にも、守備に長けた選手もいれば、男子のトップチームでいえば後ろでゲームをつくる岩尾憲選手のようなタイプ、どんどん前に関わっていく伊藤敦樹選手のようなタイプもいます。ご自身のプレーイメージとしては、どのように描いていますか。

全体のバランスを見て相手のボールを読んで奪うことや、相手のFWに出させて味方のセンターバックとサンドして奪う連動した守備などは、ボランチをやるようになって楽しいと思えるようになった部分です。そういうところは岩尾選手に近いかなと思います。そして、伊藤敦樹選手のゴールに向かう推進力もすごく魅力的で、ボランチなのにゴール前に入っていくところもすごくいいなと思います。自分にはそのどちらも出せる良さがあると思っていますので、何かに特化してというよりは、何でもできる、怖がられるような選手になりたいというのは、ボランチをやりはじめて思うようになりました。

-ボランチでプレーするようになって、選手として幅が広がっているような実感はありますか。

自分のパスから攻撃陣が点を取ってくれるシーンもそうですし、守備の部分で今までにはない守備の仕方、サイドのときとは全然違って360°を見ていくというところでは、すごく幅は広がったと思います。あと、守備の強度の部分では意識的にも変わりましたし、試合で出すプレーも明らかに変わったなと感じています。オフの日にも自主的に筋力トレーニングを入れるようになって、対人での当たり負けも、今までよりはしづらくなったと思っています。

ただ、守備で奪いきるところなどはまだ足りないと感じています。ボールを持ったときの推進力という点でも、今までは間をすり抜けていくようなドリブルが得意だったのですが、それにプラスして(猶本)光さんみたいに前に運ぶようなプレーができたら、もう少し幅が広がるかなと思います。

-次節に対戦するジェフユナイテッド市原・千葉レディースについては、どのような印象をお持ちですか。

千葉Lとはユースのときからずっと対戦してきていますが、ユース年代から変わらず、とにかく走って球際に強いイメージが今もあります。今シーズンの対戦でも、前から積極的に来る守備をなかなかかいくぐれなくて相手のプレッシャーを受け続けるシーンが多かったと感じていますし、毎年千葉Lと対戦するときは、そういう試合展開になることが多い印象です。



-そこをかいくぐるために、いかに塩越選手がうまくボールを引き出して前につけられるかが大事になってきそうです。

華さんとも「絶対にボールをまわせるから、自分たちの立ち位置を良くしてどんどんボールを引き出して、チームに流れを出していこう」と話していました。自分の強みもそこにあると思うので、とにかくいろいろなところに顔を出していきたいですし、前に速い選手も多いので、相手のプレッシャーを逆にうまく利用して、という試合展開にできたらと思っています。

-次の試合でリーグ優勝が決まる可能性もありますが、優勝へのプレッシャーみたいなものは感じていますか。

自分たちはそこまで感じていないですが、やっぱりファン・サポーターの方々は、すごく意識している部分だと思います。今まで自分たちがやってきた自信はみんなにあると思いますし、I神戸戦に勝てたことも、自分自身の自信にもすごくつながりました。そこまで気負わず、今まで通り自分たちらしく戦ったら大丈夫、というのは選手みんなが感じています。

-塩越選手としては、前回の優勝時との違いを感じるところはありますか。

プレー時間もそうですし、今シーズンは特にボランチでプレーしていることもあって、自分自身のパフォーマンス次第で試合が決まるとも思っています。そのプレッシャーを楽しんでいて、自分の調子が良かったらチームも絶対に勝てるとも捉えられるので、そういった意味では2020年のときよりも責任感がすごく増していて、やらなければいけないおもいも強いです。



-最後に、次の試合にも多くのファン・サポーターの方々が浦和駒場スタジアムに足を運んで、熱い声援を送ってくださると思います。そうした方々に向けて、メッセージをお願いします。

この間のI神戸戦でもたくさんの方がアウェイのスタジアムで後押ししてくれて、すごく力になりました。ここが大事というのは選手みんなが感じていますし、自分たちは気を引き締めて、目の前の相手に全力を出すところで頑張って、自分たちらしさを出しながらレッズレディースらしい勝利を届けられたらと思うので、一緒に戦って、後押しをしていただければと思います。


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