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【慶應SFC琴坂研究会】2023-spring 活動報告

こんにちは!琴坂将広研究会です。
私たちは琴坂将広先生を中心に、約30名の経営学に関心のある学生でIBER ”International Business and Entrepreneurship Research”をキーワードに活動しています。

このnoteでは、2023年春学期の琴坂研の活動を振り返りながら、ゼミのコンテンツや雰囲気など、様々な魅力をお伝えできればと思っています!


ゼミの活動について

琴坂研は、慶應義塾大学SFC にて毎週月曜日に開講しています。
16:30〜18:00に英語クラス(B2)、18:10〜19:40に日本語クラス(B1)があり、経営学に興味がある総勢30名ほどのゼミ生が所属しています。

今回は、琴坂研B1の2023年春学期の活動を
①ケースディスカッション
②理論回セッション
③企業コラボセッション
④SBC合宿・個人リサーチ
⑤プライベートの交流

の5つに分けて紹介していきます!


①ケースディスカッション |富士フィルム&旭硝子

琴坂研究会では、主に理論回、ケース回、企業コラボ/ゲストセッションの3種類があります。
ケース回では、1つの企業をテーマにその企業が取った戦略及び意思決定について分析し、実務的な視点で議論を行います。
実際の企業の過去の経営戦略を振り返り、そこからどう未来を描くべきかを考えることで実践知を深め、そこに経営学の理論をどのように当てはめることができるかを考えることで、アカデミックな理解も同時に深めることができます。ケーススタディの内容も様々で、HBR(Harvard Business Review)などのメジャーな文献に記載されたケースだけでなく、企業ゲストをお呼びしてタイムリーな議題を取り扱ったり、琴坂先生やゼミ生がよく知っている会社をテーマにする回もあります。
スタートアップから大企業まで様々なフェーズの企業経営に携わってきた先生だから話せる実務的な話や、その領域に詳しいゼミ生からのインプットは非常に面白いです。もちろん文献は英語が多いので、経営理論のみならず英語学習にも大変勉強になると思います!

ケース回例:富士フィルム&旭硝子
ここで2023年春に行った、「富士フィルム&旭硝子」のケースを取り扱ったケース回について簡単に紹介させて頂きます。
この回では授業にあたって以下の2つのDP(ディスカッションポイント)を設定し、議論を行いました。

DP1:SCP・RBVの理論を踏まえた上で、2社の競争優位性は何かを考察せよ
DP2:(DCの定義においては、Teece et al.(1997),Eisenhardt & Martin(2000),Zollo & Winter(2002)/Winter(2003)など、多様な解釈が存在する。) 旭硝子・富士フィルムが外部環境の変化に沿って事業を転換できた背景を考察するための、DCに関する適切だと思われる理論を選択した上で、それぞれの企業について考察せよ。 ※それぞれの企業に関して、異なった理論を選んで構いません

日本の基幹産業を代表する富士フィルムと旭硝子を聞いたことがある人は多いかもしれません。ですが、富士フィルムがヘルスケア事業で独立した事業部を作ったことを知っている人は少ないと思います。「なぜ富士フィルムや旭硝子がそんな戦略をとったのか?」といった問いに対して経営学の理論で分析したのがこの回です。DP1では経営学の基盤であるマイケル・ポーターのSCP理論及びジェイ・バーニーのRBV理論を使ってゼミ生が思う二社の強みをみんなで議論しました。DP2は少し難しい問いではありますが、各論文に書かれたDynamic Capability(DC)についての論点を自由に引用し、二社に一番合うDCの視点はどれに当たるのかを議論しました。このケース回では先生のみならず、ゼミ生からも非常に面白い分析が持ち出されて、熱量あるディスカッションになっていました。同じHBSの文献や論文を読んでいるのに各ゼミ生の視点がこんなにも違うのか!と筆者も感銘しながら議論していました。

ゼミ前に集まって、分からない部分を相談したり
プレディスカッションを行ったりもします!

②理論回セッション |ビジネスモデル

琴坂研究会では、ケースを用いたディスカッションだけではなく、経営学というアカデミックな理論のインプット/アウトプットの場として理論回セッションを定期的に設けています。
理論を扱う授業(理論回)においては、毎回一つの経営理論をテーマとして設定し、ゼミ生は授業前にDPに答えるための準備を行っています。具体的な準備として、副読本の「世界標準の経営理論(入山章栄著/ダイヤモンド社)」「経営戦略原論(琴坂将広著/東洋経済新報社)」をベースに、論文を読み解きながらペライチを作成します。学生にとって馴染みのない経営理論の背景を探ること。そして、海外の論文を辿ることは大変なことも多いです。一方で、経営理論を深く知る&英語論文を読む機会として非常に勉強になることも多いです!

理論回例:ビジネスモデル
ここで2023年春に行った、「ビジネスモデル」を取り扱った理論回について簡単に紹介させて頂きます。この回では授業にあたって以下の3つのDPを設定し、ディスカッションを行いました。

DP1:Zott,Amit & Massa(2011) の"Business Model Literature"を読んで、ビジネスモデル研究の大枠を端的にまとめよ
DP2:最新の研究論文を参考にして、ビジネスモデル研究で議論できていないことが何か述べよ
DP3:ビジネスモデル研究において、自分であればどのようなリサーチクエスチョンを立て、どのようなデータで、どのような分析をするか、その結果どのような貢献を目指すか述べよ

ビジネスモデルという言葉については皆馴染みがあったものの、経営理論としての定義や立ち位置などアカデミックな視点で、改めて概念を紐解く機会となりました。既存の知識と学術的な議論におけるギャップや学術的な価値について、先生と議論し、学びを深める。さらに、本理論回では既存研究の大枠を掴み、自身ならどのような視点でリサーチを行うかという、論文を執筆する際のプロセスを簡易に触れるDPも設定されており、理論としての知見だけではなく、実際の研究プロセスを先生からも学ぶことができるのは大きな魅力です。


③企業コラボセッション|熊澤酒造株式会社

琴坂研では福沢諭吉先生が提唱した「躬行実践」、即ち机で学んだことを実践で活かすことを大変重視しています。
企業コラボセッションは理論回やケース回とは異なり、理論的アプローチや学生自身の経験に基づいた分析など、色々な視点を通して実際企業から与えられたタスクを解決、または提案することを目標とした回です。企業と直接コラボレーションを組んで実践的に戦略を考えることが、この回の醍醐味です。普段の授業では体験できない新鮮感が身近で感じられるので、企業コラボセッションが一番好きなゼミ生も多々いるようです!

企業コラボセッション例:熊澤酒造株式会社
ここで「熊澤酒造株式会社」と提携して実施した企業コラボセッションについて簡単に紹介させて頂きます。

熊澤酒造でのセッションの様子

熊澤酒造株式会社は知名度の高い「湘南ビール」の製造元で湘南地域唯一の蔵元であり、長く地元民に愛されてきた酒を製造してきました。取り扱っている酒の種類も豊富で、ウィスキー、ジン、日本酒、ビールなど様々です。しかし、会社が成長していく中で、色々な問題が浮き彫りになってきました。このセッションでは熊澤酒造が抱える下記の3つの課題に対して3つのチームに分けて分析しました。

Team 1:スポーツ事業 :ショコー産業株式会社の戦略とその実行案の提案
Team 2:日本酒事業:日本酒事業の中長期的な成長とリスク対応を備えた戦略の提案
Team 3:組織:5年スパンで改革する、熊澤酒造株式会社の組織戦略の提案

ご覧の通り、熊澤酒造は本業以外の事業や組織に対して課題感を抱いていました。各チームはそれぞれのアプローチで、経営・組織理論を駆使しつつ、ヒアリングや会社の一次情報を通して上記の課題解決に向けた戦略を提案し、社長からのフィードバックを頂きました。社長や役員達から色々価値あるコメントをいただき、大変勉強になった回でした。発表後は熊澤酒造の敷地内にある美味しいレストランで社長と共にみんなで食事を楽しみました!


④SBC合宿|個人リサーチ(Tipping Point)

琴坂研では学期中に1-2回、SFCにあるSBC滞在棟にて宿泊型のセッションを行います!ゲストをお呼びしたり、ゼミ生がプレゼンテーションを行なったりと、B1・B2両方のクラスが混じり通常授業よりも時間をかけた学びの場になっています。

今学期のSBC合宿では、ゼミ生が各々準備してきた「Tipping Point」のリサーチを発表しました。Tipping Pointとは、特定の企業が急激に成長した要因のこと。例えば、CEOの交代、新技術の開発、外部環境要因の変化など、企業によって様々です。こういったものを様々な文献や一次情報等を用いて深掘り、成長の要因を細分化していきます。今学期は1人1社気になる企業を担当し、このTipping pointを探りました。

Tipping Point リサーチの一部

⑤プライベートでの交流

琴坂研は授業以外でもとても仲がいいです!プライベートの様子を覗いてみましょう👀

合宿
学期が終わった後の長期休みでは、卒業生も交えて合宿を行います!
直近の合宿では過去最多20名以上の卒業生が参加し、様々な領域で活躍する先輩方と交流できる機会となりました。これは琴坂研の大きな魅力だと思います。

2023年春合宿の集合写真

ゼミご飯
授業が終わった後、湘南台にある焼肉屋さん「ざんまい」に行く文化があります!授業の延長線で議論をしたり、お互いのキャリアについて語り合ったり。ゼミ生同士の仲の良さを深める大切な場となっています!もしかしたら、先生と恋バナもできるかも・・・?

その他、あそびの企画
休みの日に集まって、スマブラやボードゲーム、サウナなど・・・アットホームなコミュニティなのも琴坂研の魅力です。


琴坂研の魅力とは? <新規生インタビュー>

ここで、2023年春学期の新規生、トニー(陳毅祐)に、ゼミに入ってみた感想を聞いてみたいと思います!
半年間、琴坂研で過ごしてみてどうでしたか?

こんにちは、今年の春に入ゼミした環境二年の陳です!ゼミ生のみんなからはトニーって呼ばれているので、もしこの文章を読まれて選考を通過しましたら、「トニーの文章を読んだ!」って僕に伝えてください笑。

はい。琴坂研の魅力はまずなんといってもレベルの高さですね。先生はもちろん、ゼミ生で起業経験がある人はOBOGを含めてめちゃくちゃ多いです(実際現在ゼミにコミットしながら事業をやっているゼミ生も複数人います)。それ以外にも有名なVCや企業でインターンしている人が多く、みんな尊敬できる人です。また、OBOG達は色々相談に乗ってくるので、すごい勉強になります。 なので、一つのことに対してすごいパッションがある人や起業を志望(現在進行形含む)している人は是非うちのゼミに来てほしいです!もちろん起業やインターンは現在考えていないが、経営学が大好きだ!っていう人も歓迎しています。みんな情熱がある人間なので、すぐ仲良くなれると思います。

2つ目の魅力は議論の質の高さですね。うちのゼミでは様々な回をやりますが、結局共通で言えるのが、議論のレベルの高さです。みんな違う業界で働いている・起業していることが原因かもしれないが、異る視点からのディスカッションが多く、どの発言もレベルが高いです。自分はエンジニアなので、デザイナーの話を聞くと色々勉強になったりしますね。まあ議論の質の高さはコミットメントによるものだと思うので、みんなすごいゼミの活動に力を入れてる感じがします。なので、みんなと一緒に経営学を学びたい人は是非〜 先生も面白い人なので、楽しいと思います!

最後にゼミ生・OBOGみんなの繋がりについて話したいと思います。多分このゼミに入るかどうかを迷っている人はゼミの雰囲気を気にしているかもしれないので、紹介します。まず僕が思う琴坂研のスタイルは「ゼミ内では結構厳しいが外ではみんな仲良し」です。みんなすごい仲良しで毎週授業後は必ず湘南台駅付近の焼肉ざんまいで一緒に食べています!ですが、ゼミ内の議論では意外と厳しい面もあって、みんな学びを最大限にするためにディスカッションを真剣に取り組んでいます。まあ厳しさの反面学びとしては最高の場ですね。また、OBOG達とはみんな仲良いです。合宿では英語クラス(B2)の人含めてOBOG達が参加してみんなでワイワイしています笑。OBOGとの繋がりを重視している人にとってはすごいいい感じのゼミですね。 以上が僕が思った琴坂研の魅力です。僕は琴坂研のことがめちゃくちゃ好きです。琴坂先生の面白い一面も見れるので、是非挑戦してみてください!


ゼミ生紹介

「琴坂研は動物園!」
琴坂研には研究分野や活動領域の異なる多様なメンバーが所属しています。


最後に

いかがでしたでしょうか!
このnoteを通じて、琴坂研の魅力が伝わったら嬉しいです。

お知らせ 【2023秋学期 新規生募集を開始しました】

詳しくは琴坂将広研究会の公式HPをご覧ください!

Twitterでは公開セッションやイベントのお知らせなど、琴坂研の最新情報を発信しているので、是非フォローしてください!

また、何か気になることがあれば iber.sfc@gmail.com までご連絡ください!

ありがとうございました!


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